2025/04/07 22:47


今日は、畑に小さな小さなみかんの苗木を植えました。
そっと触れたくなるほど、まだ頼りない小さな苗木です。
でも、私たち農家にとっては、未来の果実を育む大切な一本です。

みかんが立派な果樹に育つまでには、実に数年の月日がかかります。
強い風や雨、病気や害虫… たくさんの困難を乗り越えて、ようやく美味しい実をつけるようになります。

私たちが苗木を植えるとき、ただ「果物を育てる」だけでなく、
「誰かの食卓に笑顔を届けたい」という想いを一緒に土に託しています。

きっと、今この瞬間も、みかんを育てている全国の農家さんが、
それぞれの土地で、同じように土に手を入れ、未来を見つめていると思います。

スーパーに並ぶみかん一つひとつには、
たくさんの時間と手間、そして愛情が詰まっています。

実は今日植えたこの畑は、昨年、鹿と兎の被害で苗が全滅してしまった場所です。
大切に育てていた苗木が一晩で食べられてしまった時の悔しさと虚しさは、今も忘れられません。

それでも私たちは、またこの地に苗を植えました。
しっかりと対策を講じながら、今度こそこの苗が無事に育つよう、心を込めて見守っていきます。

いつかこの苗木が、立派な果樹となって、甘くて美味しい実をつけたとき、
それを手に取った方に、「農家の想い」が届いたら嬉しいです。

小さな苗木が、大きな幸せに育ちますように。
そんな願いを込めて、今日も畑に立っています。