2025/04/24 22:17
こんにちは、陽だまりファームです。
今回は、ミカン栽培において避けては通れない「カメムシ被害」について、実際の現場での経験をもとにお話ししたいと思います。
🐞カメムシってどんな虫?
カメムシは「果実吸汁性害虫」と呼ばれ、口針を刺して果実の果汁を吸うことで被害をもたらします。ミカンのほかにも、ナシやモモなど多くの果樹に被害を与える厄介な存在です。
見た目は楯形の体型で、独特な臭いを放つのが特徴。農家にとっては、その匂い以上に「吸われた果実が商品にならなくなる」ことが深刻な問題です。
🧃カメムシ被害の特徴
ミカンにカメムシが吸汁すると、果皮に針の跡が残るだけでなく、果肉が硬くなり、変色するなどの品質低下が発生します。見た目にはあまり変化がないこともありますが、食べてみると明らかに違う。これは商品価値の大きなマイナスです。
特に着色期(9月〜10月頃)に被害を受けた果実は、見た目の判断が難しいため、選果にも苦労します。
🛡️カメムシ対策の基本
カメムシ被害への対策は、年ごとの天候や周囲の環境によって大きく変化します。
自然を相手にする農業では、「これをやれば完璧」という方法は
ありません。カメムシを完全に排除することは難しく、むしろ生態系の中でどう共存していくかが大きなテーマです。
たとえば、カメムシには天敵となる昆虫や鳥がいます。これらの生き物を守りつつ、必要最小限の防除を行うには、バランス感覚が求められます。下草を刈りすぎれば土壌の乾燥を招き、逆に放置すれば害虫の温床にもなる。そんな繊細な自然との駆け引きが日々の作業の中にあります。
農業は、食物連鎖のどこか一部だけを切り取ることができない仕事です。虫も鳥も草も木も、全部がつながって、はじめて一つの「農」の風景が成り立っています。
被害に悔しい思いをしながらも、毎年「どうしたら自然と折り合いをつけられるか」を考え続ける。そんな試行錯誤の連続が、私たちの農業なのです。
🧑🌾まとめ
カメムシとの戦いは、毎年のように繰り広げられるミカン農家の宿命。しかし、自然の中で営まれる農業においては、すべてを制御することはできません。
だからこそ、自然の声に耳を傾け、共に生きる工夫を重ねていく。そんな営みの中で育ったミカンには、きっと“生きた味”が詰まっています。
これからも、安心して美味しいミカンを届けられるように、一つひとつ丁寧に育てていきます🍊
カメムシは本来、山の虫!
普段は山の中で、ドングリや木の実、草の汁を吸って暮らしている。
山が“豊作”の年は果樹園のカメムシ被害が減る!
ドングリや木の実が多いと、わざわざ降りてこない。
刺されると意外と痛い!
一部のカメムシ(特に肉食系)は人間の皮膚を刺すこともある。
洗濯物にくっつくのは“日光浴”のため
暖かくて日当たりのいい布団や洗濯物が大好き。