2025/06/08 21:53
こんにちは。
ミカン農家として日々土と向き合っている私たちにとって、この時期は「草刈り」の季節です。
草刈りと聞くと、「地味な作業」「単純作業」というイメージを持たれるかもしれません。
確かに、草を刈ったからといって、すぐにみかんの価格が上がるわけではありません。
でも実は、この草刈りこそが、地域と農業の未来を支えるとても大切な仕事なのです。
草刈りが守るもの──景観・安全・そして命
農地の周りには、農道や用水路、傾斜地などさまざまな環境があります。
これらの場所に草が生い茂ると、害虫の温床になったり、動物が寄ってきたり、作業の安全が脅かされたりします。
そして何より、問題なのは耕作放棄地や遊休農地の増加です。
これらの土地は、手入れがされないことで地盤が弱くなり、大雨や台風といった自然災害のときに土砂崩れや洪水のリスクを高める原因になります。
草刈りはただ見た目をきれいにするだけではありません。
地域の安全を守る“防災活動”でもあるのです。
草刈りは一人ではできない。だから、助け合いが生まれる。
農家それぞれが管理している土地だけでなく、農道や水路などの共有地も多くあります。
そういった場所の草刈りは、一人でやるには限界があります。
だからこそ、地域で声をかけ合い、時間を合わせ、協力しながら草刈りを進めています。
こうした「助け合いの文化」も、農業の魅力のひとつだと私は感じています。
農業は、自然とともに生きる尊い仕事
私たち農家は、土に触れ、季節の移ろいを感じながら、作物を育てています。
農業は、ただ「食べものをつくる」だけの仕事ではありません。
人の命を支え、自然と共存しながら生きる、尊くてやりがいのある仕事です。
たとえ見えにくい作業であっても、それを怠らず続けることで、美味しいみかんが育ち、人の笑顔につながっていきます。
草刈りも農業の一部。地域の未来を支える小さな一歩。
草刈りは、地味で汗だくになる作業かもしれません。
でもその一歩一歩が、農業の基盤をつくり、地域の未来を守る力になっています。
私たちはこれからも、そんな「見えないけれど大切なこと」に真剣に取り組んでいきます。
そして、農業の価値と魅力をもっと多くの人に知ってもらえるよう、発信も続けていきます。