2025/07/13 21:56
梅雨が明け、夏の陽ざしが本格的になってきました。私たちの果樹園でも、毎日汗をかきながら「摘果(てきか)」作業が続いています。
スタッフはこの暑さの中、空調服を身に着けて作業しています。服の中を風が循環するようになっていて、少しでも体への負担を減らすための工夫です。それでも真夏の畑は過酷。照りつける太陽、容赦ない湿度との闘いです。雨の日も風の日も、果実のための手入れは欠かせません。
摘果とは?
「摘果」とは、実った果実の一部を間引く作業のことです。一見もったいないように感じるかもしれませんが、この工程はとても大切です。
果物の木には、春にたくさんの花が咲き、そのあと多くの実がつきます。しかし、すべての実をそのまま育ててしまうと、栄養が分散されてしまい、一つひとつの実が小さくなったり、味が薄くなってしまうのです。
そこで、手作業で実を選びながら間引いていきます。残された実にはしっかりと栄養が行き渡り、甘くて美味しい果物に育っていくのです。収穫のときに「わあ、おいしそう!」と思ってもらえる果実をつくるための、いわば“下準備”のような作業です。
畑に広がる異変と、これからの栽培
しかし近年、気候は確実に変わりつつあります。特にここ数年の高温は、みかんの木にとっても厳しい環境です。葉が焼けたり、実が日焼けしてしまったり、ひどい場合には木そのものが弱り、枯れてしまうこともあります。
「昔ながらのやり方」だけでは、もう通用しない時代に入っているのかもしれません。水の管理、剪定の方法、土づくり――。これまでの常識を見直しながら、試行錯誤を続けています。
それでも、変わらずに「おいしい」と言ってもらえる果実を届けたい。その想いを胸に、今年も畑に立ち続けています。
地道な作業が、実りを支えています
炎天下の中、ひと玉ひと玉を見極めながら摘果する作業は体力も集中力も必要ですが、秋の実りを思い浮かべながら作業を進めています。
おいしい果物は、こうした地道な手仕事の積み重ねから生まれています。今年も皆さんに喜んでいただける実りになりますように。
