2025/07/29 21:55

こんにちは。陽だまりファームの高橋です。

このたびご縁をいただき、浜松市農業経営塾にて講演をさせていただきました。
テーマは
「計画を立て、実行し、改善する力をつける」
~陽だまりファームの実例から学ぶ経営のヒント~
お越しいただいた皆さま、誠にありがとうございました。

今回は、これまでの農業経営における成功や失敗、試行錯誤のリアルを、できる限り率直にお伝えしました。

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農業と無縁だった私が、みかん農家になった理由
もともと私は農業とは無縁の世界で生きていました。
大学卒業後はIT企業で働き、朝の満員電車に揺られて通勤する毎日。
ある日ふと「このままこの生活を続けていくのか」と疑問を抱き、思い切って退職。
バイクで日本一周し、アフリカまで旅をするなど、かなり自由に生きてきました。
そしてたどり着いたのが、実家の手伝いとして始めた農業でした。
夢も希望もなかったスタートでしたが、少しずつ人が集まり、2019年には「株式会社陽だまりファーム」として法人化しました。

農業もPDCAが大事
「農業って計画通りにはいかない」――これは誰もが感じていることだと思います。
だからこそ、私たちは「考え、振り返り、改善する力」を日々意識しています。
特に大切にしているのがPDCA(計画→実行→評価→改善)の考え方。
感覚や勘に頼らず、データや現場の声をもとに「次はもっと良くする」仕組みづくりを実践しています。

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商品をつくるだけでは足りない
みかんはもちろん、私たちはその加工品(ジュースやジャムなど)も展開しています。
クラウドファンディングを活用し、傷んだブラッドオレンジをジュースに変えた事例も紹介しました。
「想定外を価値に変える」
これは6次産業化ならではの面白さだと思います。
販路の多角化は、農業の安定につながると実感しています。

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“人”がいなければ農業は回らない
今回の講演では、スタッフとの関係づくりについても触れました。

  • マニュアル整備と「なぜやるのか」の共有

  • 柔軟な働き方への対応

  • 定期的な面談で「小さな声」に耳を傾ける

  • 感謝を言葉にする文化づくり

こうした小さな取り組みの積み重ねが、良いチームをつくります。
そして、「人が集まる農業」こそがこれからの時代に求められると思っています。

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ここまでを振り返って
農業は失敗の連続です。
しかし、同じ失敗を繰り返さず、次に活かす姿勢があれば、必ず前に進めます。
私はその想いを胸に、これからも経営と現場の両方から農業に取り組んでいきます。
農業に正解はありませんが、工夫次第で変えていけます。

こうした“農業の希望”を、今後も現場の実践や情報発信を通じて、多くの方と共有していきたいと考えています。

そして――
農業の未来は、誰かが変えてくれるのを待つのではなく、
“自分たちで変えていく”という気持ちが何より大切だと私は信じています。

私たち陽だまりファームも、まだまだ発展途上のチームです。
でも、一歩ずつ前に進み続けることで、
今日よりも少しだけ良い明日をつくっていけると信じています。