2025/09/02 22:12
最近、こんな話を耳にしました。
果物を作っている農家さんが、資材の高騰などやむを得ない理由で値上げをしました。ところが、その結果、販売量は半分になってしまったそうです。
果物は工業製品のように「売れるまで保管」できません。時間がたてば腐ってしまうため、販路が限られている場合、大きなリスクになってしまいます。もちろん、その年の出荷量や市場の状況によっても左右されますが、こうした現実は農業の現場では珍しいことではありません。
「値上げすれば解決する」と考えられるかもしれませんが、農業はそんなに単純ではありません。自然の影響、流通の仕組み、消費者の選択など、さまざまな要素が複雑に絡み合っています。
消費者の皆さんは、美味しくて安い方が良いですよね。しかしその一方で、「食べるものが無くなってしまうかもしれない」という現実もあります。作れば作るほど赤字になってしまえば、農家はどんどん減ってしまいます。
だからこそ、農家として大切にしているのは、
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「この人が作った果物だから買いたい」
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「多少高くても、この農家さんのものを選びたい」
と思ってもらえる工夫をすることです。
農業は厳しい現実の連続ですが、だからこそ「人と人とのつながり」や「信頼」が、農業を支える大きな力になると感じています。