2026/01/31 19:20
〜ブラッドオレンジ「タロッコ」とともに歩む、陽だまりファームの挑戦〜
かつて、みかん畑だった場所。
長い年月の中で手が入らなくなり、木は老い、草が生い茂り、いつしか「耕作放棄地」と呼ばれるようになっていました。
陽だまりファームでは、そんな土地をもう一度、農地としてよみがえらせる取り組みを進めています。
今回再生している畑では、古いみかんの木を一本一本伐採し、地中に深く張った根を丁寧に抜き、整地するところから始めました。
重機を使っても簡単にはいかず、時間も手間もかかる作業です。
それでもこの土地に、もう一度「実り」を取り戻したい。
そんな想いで、畑づくりを続けています。
耕作放棄地が増えることで起きる、もうひとつの問題
耕作放棄地が増えると、雑木や下草が生い茂り、やがて鳥獣のすみかになります。
イノシシやシカ、サルなどが身を隠しやすくなり、周辺の畑や集落へ被害が広がるケースも少なくありません。
一度「安全な場所」と認識されてしまうと、鳥獣は何度も戻ってきます。
その結果、まだ耕作を続けている農地への被害が増え、
被害に耐えきれず農業をやめてしまう人が増えるという悪循環が生まれます。
耕作放棄地の問題は、
単に「使われていない土地」ではなく、
地域の農業環境や暮らし全体に影響を及ぼす問題でもあるのです。
畑として使い続けることが、最大の鳥獣対策
草を刈り、木を管理し、人が定期的に出入りする。
それだけで、畑は鳥獣にとって「落ち着かない場所」になります。
陽だまりファームが耕作放棄地の再生に取り組む理由のひとつも、
畑を畑として使い続けることが、地域を守ることにつながると考えているからです。
ブラッドオレンジを植え、手を入れ続けることで、
この土地が再び「実りの場」となり、
鳥獣が住みつく場所ではなくなることを目指しています。
すぐに実らなくても、植える意味がある
今回新たに植えるのは、**ブラッドオレンジ「タロッコ種」**です。
果樹栽培は、苗を植えたらすぐに収穫できるものではありません。
苗木を植えてから、実が安定して収穫できるようになるまで、何年もの時間がかかります。
その間も、木は放っておけません。
剪定をし、草を刈り、肥料を与え、病害虫や天候と向き合い続けます。
収穫がない年であっても、手間もコストもかかり続けます。
さらに、天候次第で実のつき方や品質は大きく左右されます。
一年かけて育てた果実が、台風や寒波で一気に失われてしまうこともあります。
果樹栽培は、いわば時間をかけて行う投資のようなものです。
それでも、今植えなければ、その先の収穫はありません。
目先の利益だけを考えれば、簡単に選べる道ではありませんが、
未来に実る果実を信じて、私たちは植え替えを続けています。
ブラッドオレンジ・タロッコの魅力
タロッコは、イタリア原産のブラッドオレンジを代表する品種です。
特徴は、
・酸味がやわらかで食べやすい
・コクのある甘み
・ほんのりと色づく美しい果肉
一般的なブラッドオレンジに比べてクセが少なく、
初めて食べる方でも親しみやすい味わいです。
生で食べても、ジュースや加工品にしても、
香り・色・味わいのバランスが良く、特別感のある果実です。
この土地、この環境で育ったタロッコが、
どんな味に育つのか。
それは、私たち自身にとっても大きな楽しみです。
陽だまりファームの取り組みと人の力
陽だまりファームは、複数の園地を管理し、
生産から管理、将来を見据えた植え替えまで、
長期的な視点で柑橘づくりに取り組んでいます。
園地には若い世代が集まり、
「美味しい柑橘を、できるだけ多くの人に届けたい」
その想いを共有しながら、日々作業に向き合っています。
経験に裏打ちされた栽培技術と、
次の時代を担う若人たちの力を合わせ、
陽だまりファームは、持続可能な農業のかたちを実践しています。
これからも、ゆっくりと、確実に
ブラッドオレンジの木は、まだ幼い苗木です。
風に耐え、寒さを越え、少しずつ根を張っていきます。
私たちも同じように、
焦らず、無理をせず、でも諦めずに。
耕作放棄地の再生と、
ブラッドオレンジ・タロッコの栽培。
この挑戦の過程も、これから少しずつお伝えしていきます。
陽だまりファームは、未来に向けて、今日も畑を耕しています。

