2026/10/05 17:38


本日の収穫をご紹介します。

といっても、みかんではありません。

なんと、シカの角です!

先日、地域の奉仕作業で農道の草刈りをしていたところ、こんな立派なものを見つけました。

なかなかの大物です。

実際に持ってみると、見た目以上に硬くて、重くて、しっかりしています。
しかも先端はなかなか鋭い。

「こんな角で突かれたら、ひとたまりもないな……」

実際に手にしてみると、野生のシカの力強さを改めて感じます。


【この辺りにもいるニホンジカ】

こうして角を見つけると、

「この山にもシカが暮らしているんだな」

と、改めてその存在を身近に感じます。

実際、静岡県内にはニホンジカが生息しており、県内では果樹やイネ、スギ・ヒノキなどへの食害も問題になっています。

浜松市でもニホンジカが生息しており、浜名区や天竜区では農作物への被害も発生しています。

姿を直接見かけなくても、こんな立派な角が落ちていると、

「すぐ近くの山で暮らしているんだなぁ」

と実感しますね。


【シカの角って、生え変わるんです】

ところで、

「こんな立派な角が、どうして山に落ちているんだろう?」

と思いますよね。

ニホンジカのオスの角は、一生同じものが付いているわけではなく、生え変わります。

古い角が自然に落ちる「落角」のあと、また新しい角が成長していきます。

山の中でシカの角がポツンと落ちていることがあるのも、そのためなんですね。

毎年、こんなに硬くて立派な角を作ると思うと、野生動物の体というのは本当にすごいものです。


【山には、いろいろな生き物が暮らしている】

普段、農作業をしていると、野生動物の姿をいつも見かけるわけではありません。

でも、角が落ちていたり、足跡が残っていたり、木や作物を食べた跡があったり……。

そんな痕跡を見つけるたびに、

「この山には、人間以外にもいろいろな生き物が暮らしているんだな」

と感じます。

私たちが農業をしている場所と、野生動物が暮らしている場所。

山の中では、その境目は思っている以上に近いのかもしれません。


【ただ、農家としては困ったことも……】

自然が豊かなのはいいことなのですが、農家にとって頭を悩ませるのが鳥獣害です。

シカもそのひとつ。

何が困るかというと、

みかんの葉っぱを食べてしまうんです。

せっかく大切に育てているみかんの木。
特に新しい葉や枝を食べられてしまうと困ります。

そして、これは我が家だけの話ではありません。

浜松市浜名区の三ヶ日地域で行われた調査でも、ニホンジカによる農作物被害では柑橘類が多く、生産者への聞き取りなどから、温州みかんの葉の食害が主であると考えられています。

まさに、みかん農家にとって身近な問題になりつつあるんですね。


【鳥獣害は全国的にも大きな問題】

シカによる被害は、浜松だけの話ではありません。

農林水産省によると、令和6年度の野生鳥獣による全国の農作物被害額は188億円。
そのうち、シカによる被害は79億円に上っています。

鳥獣害は、単に「作物を食べられてしまう」というだけではありません。

被害が続けば、「せっかく育てても、また食べられてしまう」という気持ちにもなります。

農家にとっては、なかなか切実な問題です。


【今回の草刈りも、実は大切】

今回行った農道の草刈り。

農道をきれいにするための地域の奉仕作業ですが、草や藪を刈って見通しを良くすることは、野生動物が農地へ近づきにくい環境づくりにもつながります。

鳥獣害対策では、防護柵などによる侵入防止だけでなく、草刈りなどによる環境づくりも大切です。

そう考えると、地域のみんなで行う草刈りも、農地やみかん畑を守るための大切な作業なんですね。


【山ならではの、本日の珍しい収穫でした】

草刈りをしに行って、まさかシカの角を持って帰ることになるとは思いませんでした。

こんなものに出会えるのも、山の近くで農業をしているからこそかもしれません。

鳥獣害には頭を悩ませますが、今回の角を見ていると、改めてこの山にはたくさんの生き物が暮らしていることを感じます。

ということで、本日の思わぬ収穫は、立派なシカの角でした。

シカさん、角は落としていってもいいけれど、みかんの葉っぱは食べないでね。